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古物商の資格の難易度は?試験はなく許可制。難しくなる場面と、通すための準備

古物商の資格(正しくは「古物商許可」)の難易度は、高くありません。試験も講習もなく、学歴や実務経験も問われません。法律で決められた「許可を受けられない人」に当たらず、営業所と管理者を用意して、書類をそろえて警察署に申請すれば、許可を受けられる仕組みです。

それでも「難しかった」という声があるのは、勉強の難しさではなく、手続きの面倒さによるものです。書類の種類が多いこと、警察署ごとに求められる書類が少しずつ違うこと、賃貸物件を営業所にする場合や自動車・美術品を扱う場合などに確認が増えることが、主な理由です。

この記事では、古物商許可の難易度を「試験の難しさ」ではなく「手続きでつまずく点」から整理し、取得の条件、必要書類と費用、難しくなる7つの場面、自分で申請するか行政書士に頼むかの判断、つまずかないための進め方を説明します。当社の公式YouTubeで行政書士が話した「申請で本当にハードルになる部分」も紹介します。

※この記事は、出張買取のフランチャイズ「買取マクサス」の本部(株式会社マクサス)が制作しています。法令の詳しい内容は、記事内の公式ページで確かめてください。

古物商の資格の難易度は高くない

古物商許可の難易度を示す図。試験・講習はなく、学歴・実務経験の条件もない。難しくなるのは申請の準備で、書類の収集、警察署ごとに異なる書類、営業所の条件の3点。難しさの中心は、申請を受け付けてもらうまでの準備。※欠格事由に当たる場合は許可されません。


古物商の資格に試験はなく、難易度は高くありません。必要なのは試験の合格ではなく、営業所を管轄する警察署を通じて都道府県公安委員会から受ける「許可」です。条件を満たし、書類をそろえれば、個人でも法人でも申請できます。

古物商は「資格」ではなく「許可」

一般には「古物商の資格」「古物商免許」と呼ばれますが、法律上の名前は「古物商許可」です。古物営業法は、中古品(古物)を売買・交換する営業をするには、都道府県公安委員会の許可を受けなければならないと定めています(e-Gov法令検索「古物営業法」)。

宅地建物取引士や行政書士のように、勉強して試験に合格する「資格」とは仕組みが違います。勉強の時間を見込む必要はなく、準備の中心は書類と営業所です。

難易度が低いといわれる理由

古物商許可の難易度が低いといわれるのは、次の3つが理由です。

  • 試験・講習がない:知識を問われる場面がありません
  • 学歴・実務経験の条件がない:中古品の売買の経験がなくても申請できます
  • 審査は書類と要件の確認が中心:法律で決められた条件に当てはまらないかを確かめる審査です

それでも「難しい」と感じる人がいる理由

一方で、申請した人の中には「何度も警察署に通った」「書類を出し直した」という人もいます。原因は主に次の3つです。

  • 書類が多く、取り寄せ先がばらばら:住民票は住所地、身分証明書は本籍地の市区町村、登記の書類は法務局と、取りに行く先が分かれます
  • 警察署ごとに求められる書類が違う:法律で決まった書類のほかに、営業所の使用承諾書や配置図などを追加で求められることがあります
  • 営業所の条件で止まる:賃貸物件の契約内容などによっては、営業所として認められないことがあります

つまり、古物商許可の難しさは「受かるかどうか」ではなく、「申請を受け付けてもらうまでの準備」にあります。

古物商許可を受けるための条件

古物商許可を受けるには、大きく「許可を受けられない人に当たらないこと」「営業所があること」「営業所ごとに管理者を置くこと」の3つが必要です。

許可を受けられない人(欠格事由)

古物営業法第4条は、許可を受けられない人(欠格事由)を定めています。たとえば、破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない人、一定の刑を受けてから5年を経過していない人、暴力団員などです。正確な内容は、e-Gov法令検索「古物営業法」の第4条で確かめてください。

どんな場合に許可されないのか、許可されなかったらどうなるのかは「古物商許可の審査に落ちる理由は?」で詳しく説明しています。

営業所を用意できること

古物商許可は、営業所ごとの許可の仕組みです。ネット販売だけの場合でも、営業所は必要です。自宅を営業所にすることもできますが、賃貸の場合は、契約で事業用の使用が認められているかを確かめ、必要に応じて貸主の使用承諾をもらいます。条件は都道府県や警察署で扱いが違うことがあるため、管轄の警察署に事前に相談しましょう。

営業所ごとに管理者を置くこと

古物商は、営業所ごとに、業務を適正に行うための責任者として管理者を1人選ばなければなりません(古物営業法第13条第1項、警視庁「古物商許可申請」)。個人で1か所の営業所なら、申請する本人が管理者を兼ねることもできます。

古物商許可に必要な書類・費用・期間

必要書類

警視庁の案内では、個人で申請する場合の主な書類は次のとおりです(警視庁「古物商許可申請」、2025年9月5日更新)。

書類

誰の分が必要か

取り寄せ先・作り方

許可申請書

―

警察の様式に記入する

略歴書

本人と営業所の管理者

自分で作る

本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し

本人と営業所の管理者

住所地の市区町村

誓約書

本人と営業所の管理者

自分で作る

身分証明書

本人と営業所の管理者

本籍地の市区町村

URLの使用権限があることを疎明する資料

ホームページを使って取引する場合のみ

ドメインの登録情報など

法人で申請する場合は、これらに加えて定款と登記事項証明書が必要で、略歴書などは役員全員と管理者の分が要ります。このほか、警察署によって、営業所の賃貸借契約書の写しや使用承諾書、営業所の見取り図などを求められることがあります。

費用

申請の手数料は19,000円です(警視庁「古物商許可申請」)。これに住民票などの証明書の発行手数料がかかります。行政書士に依頼する場合は、別に報酬がかかります。報酬の額は事務所ごとに違うため、見積もりを取って比べましょう。

期間

申請してから許可が出るまでの日数(標準処理期間)は、都道府県公安委員会が審査基準で定めています。たとえば富山県の審査基準(2025年4月1日作成)では、古物商の許可は40日とされています(富山県警察「審査基準(古物営業法関係)」)。これに書類を集める期間が加わります。申請先の都道府県の日数は、管轄の警察署で確かめてください。

申請の手順を一つずつ知りたい方は、「古物商許可の取り方を手順で解説」もご覧ください。

古物商許可が難しくなる7つの場面

古物商許可そのものは難しくありませんが、次のような場面では、確認される点や書類が増えます。自分が当てはまるかを、申請前に確かめておきましょう。

場面

何が増えるか

先にすること

① 法人で申請する

定款・登記事項証明書が必要。役員全員の書類がそろわないと申請できない

定款の事業目的に古物営業が入っているかを確かめる

② ネット販売をする

ホームページを使って取引する場合、URLの届出と使用権限の資料が必要

使うサイトやドメインを決めておく

③ 賃貸物件を営業所にする

契約で事業用の使用が認められているかを確認される

契約書を読み、必要なら貸主の使用承諾をもらう

④ 自動車・バイクを扱う

保管場所など、扱う品目に応じた書類を求められることがある

警察署に、品目ごとの追加書類を聞く

⑤ 美術品・金券類などを扱う

管理者の知識や体制を聞かれることがある(後述の動画より)

真贋や査定の知識を身につける方法を説明できるようにする

⑥ 欠格事由に心当たりがある

該当すると許可されない。期間の経過などで扱いが変わる

条文を確かめ、心配なら警察署や行政書士に相談する

⑦ 許可を取る前に営業してしまった

無許可営業には罰則がある(古物営業法第31条)

許可が出るまで、仕入れも含めて古物営業を始めない

法人・ネット販売は書類が増える

法人の場合は、役員全員の住民票や身分証明書が必要になるため、役員が多いほど準備に時間がかかります。ネット販売の場合は、ホームページのURLを届け出る必要があり、自分がそのURLを使う権限を持っていることを示す資料も求められます。フリマアプリやオークションサイトだけを使う場合の扱いは、管轄の警察署で確かめてください。

営業所と扱う品目で、警察署ごとの差が出やすい

賃貸物件の使用承諾書や、自動車を扱う場合の保管場所の書類などは、警察署によって求める内容が違うことがあります。インターネットで調べた情報だけで準備すると、窓口で追加の書類を求められることがあるため、書類を作り始める前に警察署に相談するのが近道です。

許可が出る前に始めない

古物商許可を取得する前に、事業として中古品の仕入れを始めてしまうケースもあります。古物営業は許可を受けてから始めるものです。許可を受けずに古物営業をすると罰則の対象になります(e-Gov法令検索「古物営業法」 第31条)。

申請前のセルフチェック

次の質問に「はい」と答えられれば、自分で申請しても大きくつまずく可能性は低いといえます。「いいえ」や「わからない」があれば、その項目を先に警察署で確かめましょう。

  • 欠格事由(古物営業法第4条)を読み、自分にも管理者にも当てはまらないと確かめた
  • 営業所にする場所を決め、持ち家か、契約で事業用の使用が認められている
  • 営業所ごとの管理者を決めた(自分が兼ねる場合を含む)
  • 扱う品目を決め、自動車・美術品・金券類などを扱う場合は追加の書類を警察署に聞いた
  • ネット販売をする場合、使うサイトやURLを決めた
  • 住民票(住所地)と身分証明書(本籍地)を取り寄せる段取りがついている
  • 許可が出るまで、仕入れも含めて営業を始めない予定にしている

すべてを一度にそろえる必要はありません。「いいえ」の項目だけを先に片づけると、警察署に行く回数を減らせます。

公式YouTubeで行政書士が語った「本当のハードル」

当社代表の関 憲人が運営する公式YouTube「せきえもんの買取大学」では、2022年3月に公開した動画「【古物商許可】行政書士が簡単な申請方法・流れやハードルになる部分解説!」で、古物商許可の申請を扱う行政書士をゲストに招き、申請の流れとつまずきやすい点を聞いています。ここでは、難易度に関わる部分を紹介します。いずれも2022年の公開当時の、ゲストの実務上の見方です(発言は当社担当者が2026年11月6日に音声で確認しました)。

審査より「受け付けてもらう」までが山場

ゲストの行政書士は、古物商許可の申請で一番のハードルは、申請書類を受け付けてもらうところだと話しています。そのうえで、欠格事由に当たらなければ許可は取れる、という見方を示しています(7:33〜8:01)。これは実務の経験にもとづく説明で、許可の要件をすべて挙げたものでも、許可を約束するものでもありません。要件は、前の章で紹介した法令と警察署の案内で確かめてください。

書類には「法律で決まったもの」と「警察署が求めるもの」がある

ゲストによると、書類には、法令で定められた書類とは別に「協力書類」があります。協力書類だからといって出さなくてよいとは限らず、何を求められるかは警察署によって違うといいます(2:32〜3:20)。例として、ホームページに関する書類を追加で求められる場合があることや、賃貸物件の使用承諾書・大家さんの許可書、自動車を扱う場合の駐車場の契約書が挙げられています(4:00〜4:50)。こうした都道府県・警察署による実務のばらつきが面倒な点だ、という趣旨の発言もあります(2:30頃)。

品目によっては厳しく見られる

ゲストは、美術品・自動車・金券類などは、真贋を見分ける力や査定の力を厳しく見られがちだと説明しています。そのうえで、一般社団法人が行う研修で盗品の見抜き方を学べることにふれ、その研修を受けたことを説明すると納得してもらいやすい、という見方を示しています(6:38〜7:31)。研修の受講は法令で求められる条件ではなく、受講すれば必ず許可されるわけでもありません。扱う品目について何を聞かれるかは、管轄の警察署で確かめてください。

許可は先に取る

最後にゲストは、許可を取らずに事業を始めてしまう人がいることにふれ、事業として古物を仕入れるなら、先に許可を取る仕組みだと説明しています(9:19〜10:00)。

ゲストの説明は一つの事務所の経験にもとづくもので、すべての警察署に当てはまるとは限りません。許可までの日数も都道府県によって違うため、申請先の審査基準で確かめてください。それでも、「難しさの正体は書類と事前確認にある」という点は、ほかの解説とも共通しています。

自分で申請するか、行政書士に頼むか

古物商許可は、自分で申請することも、行政書士に頼むこともできます。どちらが合うかは、時間とお金、自分の状況の複雑さで決まります。

比べる点

自分で申請する

行政書士に頼む

かかるお金

手数料19,000円と証明書の発行手数料

左に加えて、行政書士の報酬

手間

書類の取り寄せ・作成・警察署との相談を自分で行う

書類の作成や警察署とのやりとりの多くを任せられる

向いている人

個人で1か所の営業所、扱う品目が一般的、平日に警察署へ行ける

法人、営業所が賃貸で条件が複雑、自動車など確認の多い品目を扱う、時間がない

注意点

窓口で追加の書類を求められ、出直すことがある

本人が取りに行く書類や確認が残ることもある。報酬と対応範囲を事前に確かめる

個人で申請し、営業所が自宅(持ち家)で、扱う品目も一般的なら、自分で申請する人も多くいます。反対に、法人で役員が多い、賃貸の営業所で貸主との調整が要る、欠格事由に心当たりがあるといった場合は、行政書士に相談すると、出直しの手間を減らせます。

難易度を下げる申請の進め方

古物商許可の申請までの5ステップを示す図。申請前の確認・準備として、1 許可が必要な取引か確認、2 申請主体・取扱品目を決定、3 営業所・管理者を決定、4 管轄警察署に事前相談。5 書類を集めて申請。申請後、審査を経て許可・不許可が判断されます。※許可が出るまで、仕入れも含めて古物営業は始めません。

古物商許可でつまずかないためには、書類を作り始める前の確認が大切です。次の順番で進めましょう。

ステップ1:許可が必要な取引か確かめる

自分で使うために買った物を売るだけなら、古物商許可は必要ありません。売る目的で中古品を仕入れる(買い取る)場合などに必要になります(e-Gov法令検索「古物営業法」 第2条)。買取業を始めるのに許可や資格が必要かは「買取業を始めるのに資格は必要?」で説明しています。

ステップ2:個人か法人か、扱う品目を決める

個人で申請するか法人で申請するかで、必要な書類が変わります。扱う品目は、法令で決められた13の区分から選びます(e-Gov法令検索「古物営業法施行規則」 第2条)。個人・法人の選び方は「フランチャイズは個人事業主で加盟できる?」でもふれています。

ステップ3:営業所と管理者を決める

自宅を営業所にするか、事務所を借りるかを決めます。賃貸の場合は、契約書を読み、事業用に使えるかを確かめます。管理者を誰にするかも決めます。

ステップ4:管轄の警察署に事前相談する

営業所を管轄する警察署に、必要な書類を聞きます。特に、営業所の使用承諾書や配置図、扱う品目に応じた書類が必要かを確かめておくと、出直しを防げます。

ステップ5:書類を集め、申請する

住民票は住所地、身分証明書は本籍地の市区町村で取ります。本籍地が遠い場合は郵送で取り寄せる時間も見込みましょう。書類がそろったら警察署に申請し、手数料を納めます。

開業届など税務署への手続きとの順番は「古物商許可と開業届の違いは?」で説明しています。

許可を取った後に守ること

古物商許可は、取って終わりではありません。古物営業法には、許可を受けた後に守るルールがあります。たとえば、買い取るときに相手の住所・氏名などを確かめること、取引を記録すること、営業所に標識を掲げることなどです。内容はe-Gov法令検索「古物営業法」や管轄の警察署の案内で確かめてください。

許可の取りやすさだけでなく、こうしたルールを続けて守れるかも、古物商として営業するうえで大切です。

出張買取で開業する場合の古物商許可

出張買取で開業する場合も、古物商許可は必要です。フランチャイズに加盟する場合でも、許可は本部ではなく、加盟して営業する人(個人または法人)が自分の名義で受けるのが基本です。加盟前に、許可の申請について本部がどこまで案内するかを確かめておきましょう。

店舗を持たずに自宅などを拠点にする出張買取では、営業所をどこにするかが最初の論点になります。お客様の自宅に伺って買い取る場合には、古物営業法とは別に、特定商取引法の訪問購入のルールにも注意が必要です(消費者庁「特定商取引法ガイド:訪問購入」)。拠点の決め方と守るルールは「出張買取は無店舗で開業できる?」で説明しています。

よくある質問

古物商の資格に試験はありますか?

ありません。古物商許可は試験に合格して取る資格ではなく、警察署を通じて都道府県公安委員会に申請して受ける許可です。勉強や講習は必要なく、条件を満たして書類をそろえれば申請できます。

古物商許可は誰でも取れますか?

法律で定められた欠格事由に当たらず、営業所と管理者を用意できれば、個人でも法人でも申請できます。破産して復権を得ていない人や、一定の刑を受けて5年を経過していない人などは許可を受けられません。

古物商許可を取るのにいくらかかりますか?

申請手数料は19,000円です。このほか、住民票や身分証明書などの発行手数料がかかります。行政書士に依頼する場合は、別に報酬が必要です。

古物商許可は何日で取れますか?

申請から許可までの日数は、都道府県の審査基準で決まっています。これに書類を集める期間が加わります。申請先の日数は、管轄の警察署で確かめましょう。

自分で申請するのは難しいですか?

個人で、自宅(持ち家)を営業所にし、一般的な品目を扱うなら、自分で申請する人も多くいます。書類を作る前に警察署へ相談すると、出直しを減らせます。法人や賃貸の営業所など条件が複雑なら、行政書士への相談も検討しましょう。

まとめ

  • 古物商の資格(古物商許可)に試験はなく、難易度は高くない
  • 必要なのは、欠格事由に当たらないこと、営業所、営業所ごとの管理者
  • 難しさの正体は、書類の多さと、警察署ごとに違う追加の書類、営業所の条件
  • 法人・ネット販売・賃貸の営業所・自動車や美術品などの品目・欠格事由の心当たり・許可前の営業は、つまずきやすい場面
  • 書類を作る前に管轄の警察署に相談すると、出直しを防げる
  • 条件が複雑なら、行政書士に相談する方法もある

出張買取のフランチャイズについては、加盟募集ページでご案内しています。

参考にした資料

費用・収益に関する数値は、掲載時点の加盟募集ページを根拠としています。記事内の金額は目安であり、実績や成果を保証するものではありません。

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開業費用・月額費用・収支モデルの詳細は、加盟募集ページの「費用」でご案内しています。個別のご相談はLINEまたはChatworkから受け付けています。