不用品回収の開業に必要な許可とは?古物商との違いと始め方を解説
不用品回収業を始めるときに必要な許可は、「何を扱うか」で決まります。
- 一般廃棄物の収集運搬:市町村長の許可。 一般廃棄物には、家庭から出る廃棄物と、事業活動から出る廃棄物のうち産業廃棄物に当たらないものが含まれます。
- 産業廃棄物の収集運搬:都道府県知事等の許可。 政令で定められた市では、市長が許可権者となる場合があります。
- 中古品として買い取って売る:公安委員会の古物商許可。
古物商許可は中古品を売買するための許可で、廃棄物を収集運搬するための許可ではありません(詳しくはこちら)。始めたい事業で何を扱うのかを決めたうえで、市町村や都道府県、警察署に必要な許可を確認しましょう。
この記事では、許可の違い、無許可営業の罰則、開業までの準備、資金・売上・集客の考え方、事業モデルの選び方を順に解説します。
※この記事は、2026年10月22日時点の公的情報をもとに作成しています。法令や手数料は変わることがあるため、最新の情報を各窓口で確認してください。
不用品回収業と買取業の違い:扱うのは「廃棄物」か「中古品」か
同じ「不用品」を扱う仕事でも、引き取る物が廃棄物に当たるか、古物(中古品)に当たるかで、関わる法律と必要な許可が変わります。廃棄物に当たるかどうかの考え方は、次の項目で説明します。
不用品回収業・買取業がしていること
不用品回収業は、家庭や事業所で不要になった物を引き取り、運搬する事業です。引き取る物が廃棄物であれば、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)のルールが関わります。
買取業は、古物営業法でいう「古物」(一度使用された物品など)を買い取って販売する事業です。古物を売買したり交換したりする営業を、古物営業法では「古物営業」と呼びます。
「廃棄物」か「有価物」かは総合的に判断される
引き取る物が廃棄物に当たるかどうかは、「無料で引き取った」「お金を払って買い取った」という形式だけでは決まりません。
環境省の通知「行政処分の指針」(2021年、産業廃棄物行政向け)は、次のような要素を総合的に勘案して判断するとしています。
- 物の性状
- 排出の状況
- 通常の取扱い形態
- 取引価値の有無
- 占有者の意思
この通知は、有償で譲り渡した実績や契約があることは一つの簡便な基準にすぎず、それだけで有価物とは判断しないとも示しています。
また環境省は2012年に、家電4品目以外の使用済家電について、無料で引き取られたり安く買い取られたりしても直ちに有価物と判断されるべきではない、とする通知を出しています(環境省の報道発表)。
特定の物が廃棄物に当たるかどうかは、扱う物や状況によって変わります。事業として扱う予定の物については、市町村などの窓口に確認しましょう。
不用品回収の開業に必要な許可
許可は、扱う物の種類ごとに分かれています。相手が家庭か事業者かだけでは決まらない点に注意が必要です。
3つの許可の違い(早見表)
廃棄物処理法では、廃棄物は「産業廃棄物」と「それ以外の廃棄物(一般廃棄物)」に分かれます。産業廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、その他政令で定めるものなどです(このほか、輸入された廃棄物も一部を除いて産業廃棄物に含まれます)。
- 事業者から出る物でも、産業廃棄物の種類に当たらなければ一般廃棄物です。「事業ごみ=産業廃棄物」ではありません。福岡市は、事業活動に伴って生じた一般廃棄物を「事業系一般廃棄物」と説明しています。
- どちらの廃棄物の許可にも、法律で定められた例外があります。
- 産業廃棄物収集運搬業の許可権者は、原則として都道府県知事ですが、政令で定められた市では市長となる場合があります。申請先は営業区域に応じて確認してください。
- 特別管理産業廃棄物などは、別の許可の制度です。この記事では扱いません。
- 手数料や申請窓口は地域の例です。開業する地域の案内を確認してください。
一般廃棄物収集運搬業許可(市町村)
一般廃棄物の収集または運搬を業として行うには、その業を行う区域を管轄する市町村長の許可が必要です。運搬だけを行う場合は、一般廃棄物を積み下ろす区域が対象になります。家庭から出る廃棄物だけでなく、事業系一般廃棄物もこの許可の対象です。
法律では、次の者は許可が不要とされています。
- 自社の事業活動から出た一般廃棄物を自ら運搬する事業者
- 専ら再生利用の目的となる一般廃棄物のみの収集または運搬を業として行う者
- その他環境省令で定める者
ただし、例外の範囲は限られています。自分の事業がこれに当たるかどうかは自己判断せず、市町村の窓口に個別に確認してください。
家庭の廃棄物の回収については、一般廃棄物収集運搬業の許可または市町村の委託が必要と案内している自治体もあります(青森県の案内、2014年更新)。
新規許可の受付状況、許可の要件、手数料は、開業する市町村に確認してください。市町村の廃棄物担当の窓口に、次の点を伝えると話が進めやすくなります。
- 扱う予定の物
- 回収する区域
- 想定している事業の形
産業廃棄物収集運搬業許可(都道府県等)
産業廃棄物の収集または運搬を業として行うには、その業を行う区域に応じ、都道府県知事等の許可が必要です。政令で定められた市では市長が許可権者となる場合があります(愛知県の申請案内)。法律では、次の者は許可が不要とされています。
- 自らその産業廃棄物を運搬する事業者
- 専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集または運搬を業として行う者
- その他環境省令で定める者
こちらも、自分の事業がこれに当たるかどうかは自己判断せず、都道府県や関係する市の窓口に個別に確認してください。
申請の手数料は、申請先の自治体の案内で確認します。例えば愛知県は、産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請の手数料を81,000円と案内しています。
古物商許可(公安委員会)
古物営業を営むには、営業所のある都道府県の公安委員会の許可が必要です(古物営業法)。東京都の場合、申請は主たる営業所の所在地を管轄する警察署で行い、手数料は19,000円と警視庁が案内しています。他の道府県の手続きは、各都道府県警察の案内を確認してください。
古物商許可だけで家庭の不用品を回収できる?
古物商許可は中古品を売買するための許可で、廃棄物を収集運搬するための許可ではありません。横浜市は、古物商許可では家庭の廃棄物を収集運搬できないと案内しています(横浜市の案内)。
中古品として買い取ることと、廃棄物に当たる物を引き取ることは、別の事業として考える必要があります。引き取る物が廃棄物に当たるかどうかは、形式だけでは決まりません(「廃棄物」か「有価物」かの考え方)。扱う予定の物と事業の形を、開業する市町村に確認してください。
無許可で営業した場合の罰則
許可が必要な業を、許可を受けずに行うと、廃棄物処理法や古物営業法の罰則の対象になります。どちらの法律にも、行為者を罰するほか、法人も罰する規定(両罰規定)があります。
表の「法人への刑罰」は、法人の代表者や従業者などが、その法人の業務に関して違反したときに、法人に科される罰金です。拘禁刑は行為者に対する刑罰で、法人に科されるのは罰金です。
開業までの準備と手順(一例)
開業の準備は、扱う物と事業モデルを決めるところから始まります。ここで紹介する流れは一例です。開業届や車両などの準備は、順序が前後したり、並行して進めたりすることがあります。ただし、許可が必要な営業は、必要な許可を受けてから始めます。
開業までの流れ(一例)
- 扱う物(一般廃棄物・産業廃棄物・中古品)と相手、事業モデルを決める
- 市町村・都道府県・警察署に、必要な許可や手続きを確認する
- 必要な許可を申請する(審査の間に、5・6の準備を並行して進められる)
- 必要な許可を受ける
- 税務署に開業届を出す
- 車両・保険・回収した物の処分先を整える
- 許可を受けた範囲で営業を始める
許可が必要な業務の範囲や、どの時点から営業に当たるかは、許可を出す窓口に確認してください。
開業届などの届出
個人で新たに事業を始めた場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書」を、納税地を所轄する税務署長に提出します。提出期限は、事業を開始した日の属する年分の確定申告期限までです(国税庁の案内)。
車両・保険・回収した物の処分先を用意する
運搬に使う車両と、作業中の事故などに備える保険を検討します。廃棄物に当たる物を引き取る事業であれば、引き取った物をどこで処分するかも、開業前に確認しておく必要があります。処分先や引き渡しの方法が適切かどうかは、自治体の案内に沿って確認しましょう。
家電には、品目ごとのルールがあるものもあります。家庭用のエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象品目です。小売業者には、過去に販売した製品の引取りや買い替えに伴う引取りなど、法律で定められた条件に該当する場合に、排出者から引き取り、製造業者等に引き渡す義務があります(経済産業省・環境省の資料)。これらの家電を回収や買取で扱う予定がある場合は、扱い方を開業前に自治体などに確認しておきましょう。
開業資金・収益構造・集客の考え方
開業資金は、事業モデルによって必要な項目が変わります。この記事では相場の金額を示さず、費用項目ごとに見積もる方法を紹介します。
開業資金の内訳と見積もり方
次の項目ごとに、自分の事業計画に合わせて金額を見積もり、合計します。
収益の仕組みは事業モデルによって違う
売上と、そこから差し引く費用の中身は、事業モデルによって違います。
- 回収中心のモデル: 主な売上は、廃棄物の収集運搬に対する料金です。処分費や車両・人件費などの費用を差し引いて、採算を考えます。
- 買取中心のモデル: 主な売上は、買い取った中古品の販売代金です。買取代金(仕入れ)のほか、集荷・保管・販売にかかる費用を差し引いて、採算を考えます。採算の面では、販売価格を考えて買取価格を決めることが前提になります。
仮に、1万円で買い取った物を3万円で販売した場合(説明のための例で、一般的な利幅を示すものではありません)、売上は3万円です。買取代金の1万円を差し引いた2万円がそのまま手元に残るわけではなく、さらに関連する費用を考える必要があります。
両方を手がける場合は、それぞれに必要な許可を確認したうえで進めます。廃棄物として引き取る物と中古品として買い取る物の扱いは、開業前に自治体や警察署に確認してください。
集客の方法
集客の方法は、事業モデルと地域に合わせて選びます。
- 回収中心の場合: 一般廃棄物の許可は区域ごとに受けるため、許可を受けた区域の家庭や事業者に向けて周知します。
- 買取中心の場合: 扱う品目と対応できる地域を明確にして、Webサイトや地図検索などで問い合わせを集める方法が考えられます。
- FCに加盟する場合: 本部がどのような集客支援を行っているかを確認します。
どの方法も、成果は地域や運用によって変わります。
事業モデルの選び方:回収中心・買取中心・許可業者との連携・FC加盟
どのモデルを選ぶかは、扱いたい物と、受けられる許可から考えます。廃棄物に当たる物を引き取るなら、原則としてその収集運搬の許可が必要です(例外や市町村の委託については一般廃棄物の許可を参照)。中古品の売買に絞るなら、主に必要な許可は古物商許可です。
回収中心は、廃棄物に当たる物まで引き取りたい人のためのモデルです。原則として、扱う廃棄物に応じた許可が必要です。許可の要件や新規の受付状況は、開業する地域の窓口に確認してください。
買取中心は、中古品の売買に絞るモデルです。廃棄物に当たる物の引き取りは、古物商許可とは別の許可の問題です(詳しくはこちら)。また、消費者の自宅などで物品を買い取る取引は、特定商取引法の「訪問購入」に当たる場合があります。訪問購入には次のようなルールがあり、適用除外もあります(消費者庁の案内)。
- 事業者名などの明示
- 不招請勧誘の禁止
- 書面の交付
- クーリング・オフ
自分の取引が訪問購入に当たるかどうかは、消費者庁の案内で確認してください。
許可業者との連携は、自社が担う業務と、許可を持つ業者が担う業務を分ける考え方です。業務を分担しても、自社の許可が不要になるとは限りません。自社がどの業務を行い、どの許可が必要になるかは、具体的な契約や業務分担によって変わります。契約や業務分担が適法かどうかは、自治体や専門家に確認してください。
FC加盟は、本部の支援を受けて始める方法です。FCによって扱う事業が違うため、回収と買取のどちらの事業か、加盟者がどの許可を受ける必要があるかを確認しましょう。
不用品回収の開業を調べている人にとっても、買取中心のモデルは比較の対象になります。必要な許可も売上の仕組みも違うため、自分が扱いたい物と受けられる許可に合わせて、事業の形を選べるからです。ただし、買取中心のモデルは回収業の代わりにはなりません。廃棄物に当たる物まで引き取りたい場合は、回収中心のモデルとその許可を検討してください。
出張買取ならマクサス
ここからは、当社(株式会社マクサス)が運営するフランチャイズの紹介です。買取中心のモデルを検討している方は、選択肢の一つとしてご覧ください。
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- オンライン査定のシステムがあり、買い取った品物の集荷は提携業者に依頼できる
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- 買い取った品物を、本部で買い取ってもらうことも可能としている
FC募集サイトでは、すでに不用品回収を営んでいる事業者も、加盟をおすすめする対象に挙げています。既存の事業との両立や条件については、本部にご確認ください。
FC募集サイトでは、在庫に関する説明の中で「販売可能なものしか買取を行いません」としています。買い取る品物は家具・家電が中心で、記載のない商品を買い取る場合は本部に相談するよう案内しています。取り扱える品物や業務の範囲(不用品回収や処分を含むかどうか)は、FC本部にお問い合わせください。
詳しくはマクサスのフランチャイズ募集サイトをご覧ください。
まとめ
- 不用品回収業に必要な許可は、扱う物で決まります。一般廃棄物(家庭からの廃棄物と事業系一般廃棄物)は市町村長、産業廃棄物は都道府県知事等の許可です。中古品の売買は古物商許可です。
- 古物商許可は、廃棄物の収集運搬の許可ではありません。
- 許可の要件・受付状況・手数料は、開業する地域の窓口に確認しましょう。
- 事業モデルは、扱いたい物と受けられる許可から選びます。
買取中心のモデルを検討する方は、出張買取ならマクサスの紹介もあわせてご覧ください。
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