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古物商許可と開業届の違いは?順番・提出期限・副業の場合を解説

更新日:〔未定〕/情報の確認日:2026年10月23日

古物商許可と開業届は、名前が似ていても目的も窓口も違う、別々の手続きです。

  • 古物商許可は、古物営業を営むために都道府県公安委員会から受ける「許可」です。許可を受けずに古物営業を営むことはできません。
  • 開業届は、事業所得・不動産所得・山林所得を生ずべき事業を新たに始めたことなどを、税務署長に知らせる「届出」です。
  • 古物営業は許可を受けるまで始められないため、許可申請を先に進め、事業を始めてから開業届を出す流れが一般的です。

この記事では、個人で古物営業を始める方(本業・副業どちらも)に向けて、2つの手続きの違い、それぞれが必要になる場面、進める順番、副業で始める場合の注意点を、法令と行政機関の案内にもとづいて説明します。



古物商許可と開業届は別の手続き


[出典:京都府警察「古物商・古物市場を営むには」・神奈川県警察「古物営業許可申請手続」・国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」・国税庁「記載要領(PDF)」]

古物商許可:古物営業を営むための許可

古物営業法は、古物の売買などの営業(古物営業)を営もうとする人は、都道府県公安委員会の許可を受けなければならないと定めています。

許可するのは公安委員会ですが、申請の窓口は、営業所を管轄する警察署です[出典:京都府警察「古物商・古物市場を営むには」・神奈川県警察「古物営業許可申請手続」]。

開業届:事業を始めたことを税務署に知らせる届出

所得税法は、国内で新たに不動産所得、事業所得または山林所得を生ずべき事業を始めた人などに、その旨を記載した届出書を税務署長に提出するよう定めています。国税庁は、この手続きを「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」として案内しています[出典:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」]。


それぞれ必要になるのはどんなとき?

古物商許可が必要になる取引・ならない取引の例

古物商許可が必要かどうかは、古物の売買などを「営業」として行うかどうかに関わります。警察庁の解釈運用基準は、古物営業法でいう「営業」について、一般に営利の目的をもって同種類の行為を反復継続して行うことをいい、その判断は行為の実情に即して客観的に行うとしています。また、本業として行う場合だけでなく、臨時的に行う副業や内職などの場合も営業と認められるとしています。

熊本県警察は、許可が必要な例として「古物を買い取って販売する」ことなどを挙げています。必要ない例としては、自分の物を販売する場合や、無償でもらった物を販売する場合などを挙げています。いずれも「一例」とされています[出典:熊本県警察「古物商許可申請手続き」]。

自分の取引が許可の対象になるか迷う場合は、営業所を管轄する警察署に確認してください。

開業届が必要になる人

国税庁は、この手続きの対象者を「新たに事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき事業の開始等をした方」としています[出典:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」]。副業であることや、古物商許可を持っていることだけで、開業届の提出が必要かどうかが決まるわけではありません。


古物商許可と開業届はどちらが先?

許可を受けるまで古物営業は始められないため、許可申請を先に進め、事業を始めてから開業届を出す流れが一般的です。ただし、2つの手続きでは、必要かどうかを判断する基準が異なります。古物商許可は、取引が「営業」に当たるかどうかが基準になります。開業届は、許可を持っていることではなく、事業所得・不動産所得・山林所得を生ずべき事業を始めたかどうかが基準です[出典:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」]。

それぞれの手続きで基準になること

実務上の一般的な進め方

許可が出るまでは古物営業を始められません。そのため、まず許可申請を進め、許可を受けて営業を始めた後に開業届を出す、という順番で案内されることが多くなっています。

許可の審査には一定の期間がかかります。たとえば神奈川県警察は、許可証の交付までを「概ね40日」と案内しています[出典:神奈川県警察「古物営業許可申請手続」]。期間は都道府県によって異なる場合があるため、申請する警察署で確認してください。

一般的な流れの一例は次のとおりです。

  1. 自分の取引に許可が必要か確認する
  2. 営業所を管轄する警察署で古物商許可を申請する
  3. 許可を受ける
  4. 古物営業を始める
  5. 税務署に開業届を提出する

この流れは一般的な一例です。

開業届の控えは許可申請の添付書類になる?

警視庁の古物商許可申請の案内では、個人が許可申請をする場合の添付書類の一覧に、開業届やその控えは挙げられていません。

ほかの道府県での扱いや、申請先の警察署が個別に追加の資料を求めることがあるかどうかは、申請先で確認してください。


副業で古物商を始める場合

副業でも、許可が必要かどうかは取引の内容で判断される

警察庁の解釈運用基準は、本業として行う場合だけでなく、臨時的に行う副業や内職などの場合も「営業」と認められるとしています。副業であることを理由に許可が不要になるわけではなく、営利の目的で同種類の行為を反復継続しているかどうかを、行為の実情に即して客観的に判断するとされています。

自宅を営業所にして古物営業を始める場合に必要な条件は、申請先の警察署の案内や、賃貸物件であれば契約内容などで確認してください。

開業届や税金の手続きは状況によって異なる

副業であっても、国税庁が示す手続きの対象(事業所得・不動産所得・山林所得を生ずべき事業の開始等をした人)に当たるかどうかで、開業届の要否が決まります[出典:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」]。所得の区分や確定申告が必要かどうかは個別の状況によるため、国税庁の案内を確認するか、税務署・税理士に相談してください。

勤務先の副業規定も確認する

会社員などが副業で古物商を始める場合は、古物商許可や開業届といった法令上の手続きとは別に、勤務先の副業に関する規定も確認しておきましょう。副業を認めるかどうかや、届出の要否などは勤務先ごとに異なります。就業規則などで確認してください。


開業届の記入方法は国税庁の様式・記載要領で確認する

開業届の様式と記載要領は、国税庁の「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」のページで公開されています[出典:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」]。


まとめ

  • 古物商許可は公安委員会から受ける「許可」、開業届は税務署長への「届出」で、別の手続きです。
  • 許可を受けずに古物営業を営むことはできません。許可申請を先に進め、事業を始めてから開業届を出す流れが一般的です。
  • 警視庁の案内の添付書類一覧には、開業届やその控えは挙げられていません。申請先ごとの扱いは、申請先の警察署で確認してください。
  • 副業かどうかで許可の要否が決まるわけではなく、取引が「営業」に当たるかどうかが基準になります。開業届も、副業であることや許可を持っていることではなく、事業所得・不動産所得・山林所得を生ずべき事業を始めたかどうかが基準です。勤務先の規定も別に確認してください。

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