フランチャイズオーナーとは?仕事内容・店長との違い・なるまでの流れ

フランチャイズ(FC)オーナーとは、フランチャイズ本部と加盟契約を結び、本部の商標やノウハウ、支援を使って、自分の事業として店舗を営む人のことです。本部の社員ではないため、給与を受け取るのではなく、事業の利益から収入を得ます。赤字になったときの負担も、事業を営む側が負います。
個人で加盟する場合は本人が、法人で加盟する場合は法人が、本部との契約の当事者になります。また、契約の当事者と、実際に店舗を運営する人が同じとは限りません。
この記事では、フランチャイズオーナーの立場、店長や会社員との違い、仕事内容と働き方、向いている人、オーナーになるまでの流れを順に説明します。最後に、当社(買取マクサス)の出張買取FCで、オーナーが1日にどんな仕事をしているかを紹介します。
フランチャイズオーナーとは:本部と契約して自分の事業を営む人
本部と加盟契約を結び、看板とノウハウを使って事業を営む
フランチャイズでは、本部が商標(屋号)や経営のノウハウ、研修などの支援を提供し、加盟する側がその対価として加盟金やロイヤリティなどを支払います。加盟する側は本部に雇われているわけではなく、本部とは別の事業者として、自分の店舗を経営します。
公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」も、本部と加盟者を、それぞれ独立した事業者として扱っています(出典:公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」)。
本部と加盟店がそれぞれ何を担い、お金がどう流れるのかという仕組みの全体像は、別の記事で詳しく説明する予定です。
個人で加盟する場合と、法人で加盟する場合
「フランチャイズオーナーは経営者なのか、自営業者なのか」は、誰が加盟契約を結ぶかで答えが変わります。
- 個人で加盟する場合:加盟契約の当事者は本人です。本人が個人事業主として事業を営み、事業の利益が本人の事業所得のもとになります。国税庁は、事業所得の金額を「総収入金額-必要経費」で計算すると説明しています(出典:国税庁「No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)」)。
- 法人で加盟する場合:加盟契約の当事者は法人です。「オーナー」と呼ばれるのは多くの場合その法人の代表者などですが、契約上の権利や義務を持ち、事業の損益が帰属するのは法人であって、代表者個人ではありません。
さらに、契約の当事者と、店舗を実際に運営する人は同じとは限りません。法人で加盟した場合、代表者が自ら現場に立つこともあれば、従業員や店長に運営を任せることもあります。個人で加盟した場合でも、店長を雇えば、契約を結んだ人と店舗を運営する人は別になります。
個人と法人のどちらで加盟できるかは、本部ごとに条件が違います。加盟を検討している本部に確認しましょう。個人と法人で税金や社会保険の扱いがどう変わるか、いつ法人化を考えるかは、別の記事で詳しく扱う予定です。
オーナーと店長・会社員の違い
フランチャイズの店舗では、「オーナー」と「店長」が別の人であることがあります。立場の違いを表にまとめます。
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比べる点 |
FCオーナー |
雇われ店長 |
本部の社員 |
|---|---|---|---|
|
立場 |
事業を営む人(個人で加盟した本人、または加盟した法人の代表者など) |
オーナー(加盟店)に雇われて働く人 |
本部に雇われて働く人 |
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本部との関係 |
加盟契約の当事者、または当事者である法人の側 |
加盟店を運営する事業者と雇用契約を結ぶ。本部との加盟契約の当事者ではない |
本部の従業員 |
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収入のもと |
事業の利益 |
給与 |
給与 |
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赤字のときの負担 |
事業として負う |
給与を受け取る立場で、事業の損失を負う立場ではない |
給与を受け取る立場で、事業の損失を負う立場ではない |
オーナーが店長を兼ねている店もあれば、店長を雇ってオーナーは経営に専念する店もあります。店長を雇う場合、その給与は店舗の経費になります。
オーナーの収入が事業の利益から生まれることや、店舗の利益とオーナー個人の手元に残るお金の違いは、「フランチャイズオーナーの年収はどう決まる?」で詳しく説明しています。
フランチャイズオーナーの仕事内容
オーナーの仕事は業種や本部によって違いますが、おおむね次のような仕事を担います。
- 数字の管理:売上や経費、手元の資金の動きを確認し、利益が出ているかを見ます。
- 人の管理:スタッフを雇う場合は、採用、教育、シフトの管理をします。
- 集客・営業:本部が行う集客の支援に加えて、地域での集客や、問い合わせへの対応をします。
- 現場の業務:自分で接客や作業をするオーナーも多くいます。
- 本部とのやり取り:売上などの報告、マニュアルやルールの順守、研修や指導の受講をします。
- 許可・届出:業種によっては、営業に必要な許可や届出があります。たとえば中古品の買取を営業として行うには、古物営業法にもとづく許可(古物商許可)が必要です(出典:e-Gov法令検索「古物営業法」 第3条。取り方は「古物商許可の取り方を手順で解説」)。
本部がどこまでを担い、オーナーが何を担うかは本部によって違います。「本部が全部やってくれる」とは考えず、加盟前に支援の範囲を確かめましょう。
オーナーの働き方:現場に立つか、任せるか
同じフランチャイズオーナーでも、働き方はさまざまです。
自分で現場に立つ
オーナー自身が接客や作業をする働き方です。人件費を抑えられる一方で、オーナーが動けない日は店舗の運営にも影響します。
店長やスタッフに任せて経営に専念する
店長やスタッフを雇い、オーナーは数字の管理や人の管理に集中する働き方です。任せる場合も、オーナーが売上や現場の状況を確認する仕組みや、人が辞めたときの備えが欠かせません。
複数の店舗を経営する
1店舗目が軌道に乗ってから、2店舗目、3店舗目と増やしていくオーナーもいます。店舗が増えるほど、オーナーの仕事は現場から経営の管理へ移っていきます。
1人で始める
店舗を持たない業態や、少人数で回る業態では、1人で始める例もあります。1人で回せるかどうかは、業態と、本部がどこまで支援してくれるかで決まります。
副業として始める
会社に勤めながらオーナーになる人もいます。勤務先の副業の規定や、本部が副業での加盟を受け入れているかの確認が必要です。詳しくは「フランチャイズは副業で始められる?」をご覧ください。
オーナーの収入はどう決まるか
フランチャイズオーナーの収入は、本部から支払われる給与ではありません。売上から、仕入れ、本部への支払い(ロイヤリティなど)、人件費、家賃などの経費を差し引いた事業の利益がもとになります。同じ業種、同じ本部でも、店舗によって利益は大きく変わります。
また、店舗の利益が、そのままオーナー個人の手元に残るお金になるわけではありません。年収の決まり方や、ネット上の「平均年収」の読み方、自分の場合の試算の手順は、「フランチャイズオーナーの年収はどう決まる?」で説明しています。
オーナーになるメリット・デメリット
メリット
- 本部の屋号やブランドを使えるため、一から知名度を上げるより早くお客様に知ってもらいやすい面があります。
- 本部の研修やマニュアル、開業後の支援を受けられます。
- 未経験の分野でも、本部のノウハウを使って始めやすくなります。
デメリット
- 売上が少ない月でも、本部への支払いや家賃などの固定費がかかります。
- 本部のルールやマニュアルに従って経営する必要があり、自分の判断だけで決められないことがあります。
- 契約期間があり、途中でやめるときに違約金などの条件が定められている場合があります。公正取引委員会の「考え方」は、本部は中途解約の条件を契約で明確にし、加盟者の募集時に十分説明することが望ましいとしています(出典:公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」)。
加盟して利益が出るかどうか、何が採算を左右するかは「フランチャイズは儲かる?儲かる・儲からないを分ける条件と業種ごとの違い」、ロイヤリティの方式による違いは「フランチャイズのロイヤリティとは?3つの方式と相場の見方、毎月の負担の比べ方」で詳しく説明しています。
フランチャイズオーナーに向いている人・確かめたいこと
向き不向きは性格だけで決まるものではありません。加盟を考えるときは、次の点を自分に問いかけてみてください。
- 本部のルールや手順の中で工夫できるか:決められた仕組みに沿いながら、自分の地域やお客様に合わせて工夫できる人は、フランチャイズの仕組みを生かしやすくなります。
- 売上や経費の数字を自分で見られるか:利益が出ているか、どこにお金がかかっているかを把握するのは、オーナーの大事な仕事です。
- 収入が安定するまでの生活費に余裕があるか:開業してすぐに売上が安定するとは限りません。
- 人を雇う場合、採用や育成に時間を使えるか:任せる人が育つまでは、オーナーの手間がかかります。
- 家族の理解を得ているか:開業の準備や開業後しばらくは、働く時間が長くなることがあります。
オーナーになる前に知っておきたいこと
開業資金と運転資金を見込む
加盟金などの開業時の費用に加え、売上が安定するまでの運転資金も見込んでおく必要があります。加盟金の意味や当社の費用は、「フランチャイズの加盟金とは?含まれる費用・返還・0円の見方を解説」で紹介しています。開業資金の総額や内訳の考え方は「フランチャイズの開業資金はいくら?内訳・総額の見方と自己資金」で説明しています。
税金と年金・健康保険の手続きを自分で行う
個人で加盟した場合、会社員のように勤務先が手続きをしてくれるわけではありません。確定申告や、年金・健康保険の手続きを自分で行うことになります。具体的な手続きは、国税庁や市区町村、年金事務所の案内で確認しましょう。法人で加盟した場合は、法人としての手続きが必要になります。
人を雇う場合は雇用の手続きが生じる
スタッフや店長を雇う場合は、雇用に伴う手続きや労務管理が必要になります。
フランチャイズオーナーになるまでの流れ
一般的には、次のような流れで進みます。本部によって順番や期間は異なり、法律でこの順番が決められているわけではありません。
- 業種や本部の情報を集める:業種ごとの特徴や、本部ごとの条件を比べます。
- 説明会や面談で話を聞く:支援の範囲、費用、契約の条件を確かめます。
- 契約前に書面を受け取り、内容を確かめる:中小小売商業振興法は、同法の「特定連鎖化事業」を行う本部に対し、契約前に加盟金などの金銭、経営の指導、契約の期間・更新・解除などを記載した書面を交付し、説明することを求めています(出典:e-Gov法令検索「中小小売商業振興法」 第11条)。対象にならない本部でも、契約条件を書面で受け取り、理解できるまで説明を求めましょう。
- 加盟契約を結ぶ
- 研修を受ける:業務の手順や、本部のシステムの使い方などを学びます。
- 開業の準備をする:業種によって必要な許可や届出、店舗・車両・道具などを準備します。
- 開業する
買取マクサスのオーナーの仕事:公式動画に映った1日
当社の公式YouTube「せきえもんの買取大学」では、出張買取FC「買取マクサス」の広島店を運営する新田オーナーの1日に密着した動画を公開しています(出典:「【密着取材】フランチャイズオーナーのリアルな1日に密着してみた【1日ルーティーン】」2023年6月公開)。2023年の撮影時点での、1人のオーナーの例です。働き方は加盟店によって異なります。
広島店・新田オーナーのある1日
- 朝:自分の支度をしながら子どもの支度を手伝い、保育園に送ってから仕事へ。撮影日の出社は10時でした。
- 訪問の約束:テレビの売却を希望するお客様に電話をかけ、査定に伺う約束をします。
- 訪問・査定・買取:お客様のお宅で品物を査定し、買い取ります。
- 手配と問い合わせ対応:引き取った大型の品物の処理を手配し、合間にお客様からの問い合わせに返信します。
査定・買取以外にオーナーが担う仕事
在庫の管理:大型商品をできるだけ即日処理する
新田オーナーは、引き取ったベッドの写真をスマートフォンで撮り、引き取り先に送って、引き取ってもらえるかを確認していました。翌日も同じ車を使う予定が入っているため、大型の品物はできるだけその日のうちに処理する方針です。
本来は、売り先(出口)を用意してから買い取るほうがよいものの、最初のうちは突然出てくる品物もある、と新田オーナーは言います。そのうえで、相場の感覚を持たないまま無料で引き取るのは避けたほうがよいといいます。売却先や相場を把握せずに引き取ると、処理できない品物が残ってしまうおそれがあるためです。買い取る時点で、その品物をどこに売り、いつ運び出すかまで考えておく必要があるということです。
人の配置:買い取りに集中するために、販売の担当者を探す
撮影時、新田オーナーは、買い取った品物の清掃やネットへの出品を任せられる人を募集していました。こうした販売の作業を任せられれば、自分は出張買取に集中できるからです。今後についても、まずは販売の人員を整える必要があると話しています。
自分が担う仕事と、人に任せる仕事を分けることも、オーナーが決めることです。
時間の使い方:待ち時間も問い合わせ対応にあてる
朝は子どもを保育園に送ってから仕事を始め、お客様とは電話で訪問の約束をします。作業をしている間はメールを確認できないため、待ち時間には車内でスマートフォンを使い、お客様からの問い合わせに返信していました。
撮影時に本部から受けた助言
撮影では、当社代表の関が、新田オーナーの訪問の様子について、次のような改善点を伝えていました。
- 搬出の道具:当社代表の関は、台車に加えて折りたたみコンテナ(オリコン)を複数用意すると、品物を積み重ねて運びやすくなる。(折りたたみコンテナは、Amazonで実物を見ることもできます。)
- お客様への説明の仕方:資料をお客様に対面で手渡すのではなく、横に並んで一緒に指さしながら説明したほうがよい。
- 他社の査定額の話題:お客様が他社の査定額を話題にしたときは、「安いですね」とは言わないほうがよい。関は、自分なら「結構いい金額を出していますね」と伝えると話しています。
これは撮影時の訪問1件についての助言で、現在の本部の支援内容の標準を示すものではありません。加盟店の1日の別の例は、「リサイクルショップのフランチャイズ比較」の「加盟店の1日」でも紹介しています。
買取マクサスの加盟条件や支援内容については、フランチャイズ加盟募集ページをご覧いただくか、本部へお問い合わせください。
よくある質問
フランチャイズオーナーは経営者ですか?
自分の事業として店舗を営むという意味で、経営者にあたります。ただし法人で加盟した場合、本部との契約の当事者は法人で、オーナーと呼ばれる人はその法人の代表者などという立場になります。
フランチャイズオーナーは自営業者ですか?
個人で加盟した場合は、個人事業主として事業を営むため、自営業者にあたります。法人で加盟した場合は、事業を営むのは法人です。
1人でもフランチャイズオーナーになれますか?
業態と本部の支援の範囲によります。店舗を持たない業態など、少人数で始められるものもあります。1人で回せるかは、加盟前に本部に確認しましょう。
フランチャイズオーナーに年齢制限はありますか?
年齢などの加盟条件は本部ごとに違います。検討している本部の加盟条件を確認しましょう。
フランチャイズオーナーの年収はどのくらいですか?
給与ではなく事業の利益で決まるため、店舗や業種によって大きく違います。決まり方や数字の読み方は「フランチャイズオーナーの年収はどう決まる?」をご覧ください。
会社員のままオーナーになれますか?
勤務先の副業の規定と、本部が副業での加盟を受け入れているかによります。詳しくは「フランチャイズは副業で始められる?」をご覧ください。
まとめ
- フランチャイズオーナーは、本部と加盟契約を結び、本部の商標やノウハウを使って自分の事業として店舗を営む人です。
- 個人で加盟すれば本人が、法人で加盟すれば法人が契約の当事者になります。契約の当事者と、店舗を運営する人は同じとは限りません。
- 収入は給与ではなく事業の利益から生まれ、赤字の負担も事業として負います。
- 仕事は、数字の管理、人の管理、集客、現場の業務、本部とのやり取りなどです。現場に立つか、任せるかで働き方が変わります。
- 加盟前には、支援の範囲、費用、契約の条件を書面で確かめましょう。
参考資料
- 公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」:https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/franchise.html
- e-Gov法令検索「中小小売商業振興法」:https://laws.e-gov.go.jp/law/348AC0000000101
- e-Gov法令検索「古物営業法」:https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000108
- 国税庁「No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)」:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1350.htm
- せきえもんの買取大学「【密着取材】フランチャイズオーナーのリアルな1日に密着してみた【1日ルーティーン】」(2023年6月公開):https://www.youtube.com/watch?v=BcFI7sFVV1c
(情報の確認日:2026年10月30日)
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