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フランチャイズのロイヤリティとは?3つの方式と相場の見方、毎月の負担の比べ方

フランチャイズのロイヤリティは、加盟したあとに本部へ定期的に払うお金で、本部の商標や商号を使うことや、経営指導などの対価です。払い方は「売上歩合」「粗利分配」「定額」の3つに分けて考えると整理しやすく、どれが軽いかは、月の売上(粗利分配では原価も)によって変わります。料率の「相場」だけで比べず、同じ売上を置いたときに毎月本部へ払う合計と、その計算方法を、契約前に書面で確かめましょう。

この記事では、ロイヤリティの意味と方式、相場の見方、方式の違いによる負担の比べ方、契約前に確かめることを解説します。

※法令(e-Gov法令検索)と公正取引委員会の資料に関する記述は、2026年10月29日に原文を確認しました。3つの方式の分け方はこの記事での整理で、計算例の数字は説明のための仮のものです。

フランチャイズのロイヤリティとは

加盟後に本部へ定期的に払う、商標や経営指導の対価

公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」では、ロイヤリティを、加盟したあとに、本部の商標や商号などを使うことや経営指導などの対価として、加盟者が本部に定期的に払うお金としています。

加盟金が契約するときに一度払うお金であるのに対して、ロイヤリティは加盟している間、払い続けるお金です。加盟金の中身や返還の条件は、フランチャイズの加盟金の記事で詳しく説明しています。

なお、公正取引委員会の資料では「ロイヤルティ」と表記されています。資料によって表記が違うことがあるため、両方の書き方で探すと見落としを防げます。

ロイヤリティで本部から何を受けるのか

公正取引委員会の説明で、ロイヤリティの対価として挙げられているのは次の2つです。

  • 本部の商標や商号などを使うこと
  • 経営指導など

これ以外に、たとえばシステムや集客の支援などがロイヤリティに含まれるのか、別料金になるのかは、本部ごとの契約で決まります。同じ「ロイヤリティ」という名目でも、受けられる支援の範囲は同じではありません。金額だけでなく、何の対価として払うのかを確かめることが大切です。

ロイヤリティの3つの方式と計算のしかた

ロイヤリティの算定方法は、本部ごとの契約で決まります。この記事では、次の3つに分けて説明します。

売上歩合方式:売上×料率

毎月の売上に、決められた料率をかけた額を払う方式です。売上が多い月は支払いが増え、少ない月は減ります。

粗利分配方式:粗利(売上総利益)×率

売上から売上原価を引いた粗利(売上総利益)に、決められた率をかけた額を払う方式です。売上が同じでも、原価によって支払いが変わります。

粗利分配方式では、「売上原価」に何を含めるかで金額が変わります。公正取引委員会の「考え方」は、売上総利益にどのような定義を使っているかを十分に説明しないまま、ロイヤリティを実際より低く見せることを、問題になりうる例として挙げています。粗利が計算の基礎になっている場合は、売上原価と粗利の定義を必ず確かめましょう。

定額方式:売上に関係なく毎月決まった額

売上の多い少ないに関係なく、毎月決まった額を払う方式です。毎月の支払いを見通しやすい一方、売上が少ない月も同じ額がかかります。

3つの方式の比較

方式

計算の基礎

売上が多い月

売上が少ない月

向いている考え方

売上歩合

売上

支払いが増える

支払いが減る

支払いを売上に連動させたい(売上が少ない月は支払いも少なくしたい)

粗利分配

粗利(売上−売上原価)

粗利が増えれば支払いも増える

粗利が減れば支払いも減る

支払いを粗利に連動させたい(売上原価と粗利の定義を確かめたうえで)

定額

なし(決まった額)

支払いは変わらない

支払いは変わらない

売上が伸びたときに手元に残る割合を大きくしたい

どの方式が得かは、方式だけでは決まりません。売上の見込み(粗利分配では原価の見込みも)によって負担の大小が入れ替わるため、次の章以降で説明する方法で、自分の見込みに当てはめて比べます。

契約によっては、下限の額や、2つの方式の組み合わせが定められている場合もあります。本部の資料で確かめましょう。

ロイヤリティの相場は?数字を見るときの注意点

この記事では、出典・対象・算定方法を確かめられる業種別の数値を見つけられなかったため、業種別の相場の数字は載せず、相場として紹介される数字の見方と比べ方を紹介します。

業種ごとの「相場」は、数字の前提を確かめてから使う

ロイヤリティの相場として、業種ごとの料率や金額の幅が紹介されていることがあります。ただし、その数字を自分の比較に使う前に、次の点を確かめてください。

  • 出典:だれが、いつ、何社を対象に調べた数字か
  • 対象:本部が答えた数字か、加盟店が答えた数字か。どの業種・業態を含むか
  • 算定方法:売上にかけた率か、粗利にかけた率か、定額か

業種によって料率が異なる背景

業種ごとに紹介される料率に幅があるのは、たとえば次のような点が業種によって違うためと考えられます。

  • 原価の重さ:仕入れや材料の原価が大きい業種では、売上に対して大きな率をかけると加盟店に利益が残りにくくなります
  • 本部が担う範囲:商品の供給、広告、システムなど、本部が受け持つ仕事が多ければ、その分の対価が料率や金額に含まれることがあります
  • 計算の基礎:同じ「30%」でも、売上にかけるのか粗利にかけるのかで、実際に払う額は大きく違います

料率を並べて比べられない理由

計算の基礎が違う料率は、そのまま並べて比べられません。

たとえば、月の売上が300万円、売上原価が210万円のお店があるとします(説明のための仮の数字です)。

  • 粗利は300万円−210万円=90万円
  • 粗利の30%を払う場合のロイヤリティは、90万円×30%=27万円
  • 27万円は売上300万円の9%にあたります

「30%」と「9%」は、このお店では同じ支払い額を表しています。公正取引委員会の「考え方」も、実際に払う額は同じくらいなのに、算定方法の違いを説明しないまま、ほかの本部より自社の料率が低いことを強調する比較を、問題になりうる例として挙げています。料率の数字だけを見て高い・安いを判断しないようにしましょう。

定額と売上歩合はどちらが軽い?月の売上で負担を比べる

同じ売上を置いて、月の支払いを比べる

定額と売上歩合のどちらが軽いかは、月の売上によって変わります。たとえば「定額 月10万円」と「売上歩合 5%」を比べると、次のようになります(説明のための仮の条件で、実際の本部の条件や相場ではありません)。

月の売上

定額(月10万円)

売上歩合(5%)

100万円

10万円

5万円

200万円

10万円

10万円

300万円

10万円

15万円

売上が200万円より少ない月は売上歩合のほうが軽く、200万円より多い月は定額のほうが軽くなります。

支払いが同じになる売上は「定額÷料率」で出せる

2つの方式の支払いが同じになる売上は、次の式で出せます。

支払いが同じになる月の売上=定額÷料率(下限・上限がなく、同じ「売上」に料率をかける場合)

上の例なら、10万円÷5%=200万円です。自分が見込む月の売上が、この売上より上か下かで、どちらの方式が軽いかがわかります。

開業直後の売上は見込みどおりになるとは限らないため、開業からしばらくの見込みと、軌道に乗ったあとの見込みの両方で計算しておくと安心です。

下限額や「売上」の定義で、実際の負担は変わる

売上歩合でも、次のような条件があると、実際の負担は料率とは違ってきます。

  • 下限の額:たとえば「売上の5%、ただし月8万円を下限とする」場合、売上100万円の月は5%なら5万円ですが、下限の8万円を払います。この月の負担は売上の8%です(仮の条件です)
  • 上限の額:売上が大きくなっても、一定の額を超えない決まりがあるか
  • 「売上」に含めるもの:何を売上として計算するかで、料率をかける金額が変わります

本部の資料で料率を見るときは、下限・上限の有無と、料率をかける「売上」や「粗利」の定義もあわせて確かめましょう。

ロイヤリティ以外に毎月本部へ払うお金も合わせて比べる

システム利用料・広告分担金など、別の名目の支払い

本部に毎月払うお金は、ロイヤリティだけとは限りません。システムの利用料や、広告・販促の分担金など、ロイヤリティとは別の名目で、毎月払うお金が定められていることもあります。

中小小売商業振興法の施行規則は、法律の対象となる本部が契約前に渡す書面に、加盟者から定期的に徴収するお金について、額、または算定に使う売上や費用などの根拠を明らかにした算定方法、そのお金の性質、徴収の時期と方法を書くよう定めています。ロイヤリティという名前でなくても、毎月払うお金は一つずつ確かめましょう。

本部への支払いが売上の何%になるかを出す

本部ごとの負担を比べるときは、ロイヤリティの料率ではなく、毎月本部へ払う合計が売上の何%になるかで比べると、条件の違う本部どうしでも比べやすくなります。

本部への支払いの割合=(ロイヤリティ+その他の毎月の支払い)÷月の売上

たとえば、月の売上が200万円で、ロイヤリティが売上の5%(10万円)、システム利用料が月3万円、広告分担金が月2万円なら、合計は15万円で、売上の7.5%になります(説明のための仮の数字です)。

手元に残る額は、ほかの費用とあわせて考える

本部への支払いを引いたあとにも、家賃、人件費、広告費、車両費などの費用がかかります。開業資金を借り入れた場合は、その返済もあります。ロイヤリティが軽く見えても、ほかの費用を含めた毎月の支出で採算が合うかを確かめることが大切です。

ロイヤリティ0円・安い条件を見るときの注意

ロイヤリティなしでも、別の名目で払うお金がないか確かめる

「ロイヤリティ0円」「ロイヤリティ無料」といった条件を見たときは、ほかの名目で払うお金がないかを確かめましょう。本部も事業として運営している以上、ロイヤリティ以外の名目で収入を得ている場合があります。たとえば、次のようなお金です。

  • 加盟金・研修費などの初期費用
  • システム利用料や会費などの毎月の支払い
  • 本部から仕入れる商品・材料の価格

ロイヤリティの有無ではなく、本部に払うお金の合計で比べることが大切です。

安さだけでなく、受けられる支援と合わせて見る

ロイヤリティが安いこと自体は、悪いことではありません。ただし、支援の範囲が狭い、必要な支援が別料金になっているといった場合は、結果として負担が大きくなることもあります。何が含まれていて、何が別料金なのかをセットで確かめましょう。

契約前にロイヤリティについて確かめること

確認リスト

本部の説明会や面談では、次の点を確かめておきましょう。答えは口頭だけでなく、書面でもらうようにしてください。

  • 金額または料率と、何に料率をかけるか(売上・粗利の定義を含む)
  • 下限・上限の額があるか
  • いつから、いつ、どのように払うか(開業直後の扱いを含む)
  • ロイヤリティ以外に毎月払うお金の名目と金額
  • ロイヤリティで受けられる支援の範囲と、別料金になるもの
  • 金額や料率が変わることがあるか、その条件
  • 契約期間の途中でやめる場合の条件と、かかる費用

契約前に受け取る書面と、本部が示すことが望ましい事項

中小小売商業振興法は、主に中小の小売業者を加盟者とする本部のうち、一定の条件に当たる本部に、契約前に書面を渡して説明することを義務づけています。先に紹介したとおり、その書面には、定期的に徴収するお金の額、または算定に使う売上や費用などの根拠を明らかにした算定方法、性質、時期、方法を書くことになっています。

また、公正取引委員会の「考え方」は、本部が加盟者を募集するときに、ロイヤリティの額、算定方法、徴収の時期と方法を開示することが望ましい事項に挙げています。

検討している本部がこの法律の対象かどうかにかかわらず、ロイヤリティの条件は契約前に書面で受け取り、内容を確かめましょう。契約書の内容について判断に迷う場合は、弁護士などの専門家に相談してください。

説明と実際が違ったと答えた加盟店も多い

公正取引委員会が2011年(平成23年)に公表したフランチャイズ本部との取引に関する調査では、本部が開示した内容と実際の内容が異なっていたと答えた加盟店の割合が高かった項目の一つに、ロイヤリティが挙げられています。説明を聞いたら、同じ内容が契約書や書面に書かれているかを照らし合わせておくと安心です。

買取マクサスの本部に払う月額費用

ここからは、この記事を制作している株式会社マクサスの「買取マクサス」フランチャイズの紹介です。

買取マクサスの本部に支払う月額費用は、2026年10月29日時点で20万円(税別)です。

これとは別に、集客のための広告費や、必要に応じて家賃・車両費などがかかります。

加盟時の費用(加盟金・初期費用)は、フランチャイズの加盟金の記事で紹介しています。ほかの本部と比べるときは、本部に毎月払うお金の合計と、それ以外にかかる費用を分けて比べてみてください。

よくある質問

フランチャイズのロイヤリティの相場はどのくらい?

方式や業種、本部によって違います。業種別の相場の数字を見るときは、出典・対象・算定方法を確かめ、同じ売上を置いて毎月の支払い額で比べると判断しやすくなります。

ロイヤリティは売上の何%くらい?

料率は計算の基礎で意味が変わるため、売上に対する割合に直して比べます。ロイヤリティとほかの毎月の支払いの合計を、見込みの月の売上で割りましょう。

ロイヤリティ0円なら、毎月の支払いはありませんか?

ロイヤリティが0円でも、システム利用料や会費など、別の名目で毎月払うお金が定められていることがあります。加盟金や研修費、仕入れ価格も含め、本部に払うお金の合計で確かめましょう。

大手チェーンのロイヤリティはいくら?

本部によって方式も金額も違います。募集ページなどで条件がわからないときは、説明会で聞き、契約前に書面で確かめてください。

まとめ

  • ロイヤリティは、加盟後に本部へ定期的に払う、商標の使用や経営指導などの対価です
  • 方式は売上歩合・粗利分配・定額の3つに分けて考えると整理しやすく、どれが軽いかは月の売上(粗利分配では原価も)によって変わります
  • 定額と売上歩合の支払いが同じになる売上は「定額÷料率」で出せます
  • 業種別の相場の数字は、出典・対象・算定方法を確かめてから使い、料率を並べて比べないようにします
  • ロイヤリティ以外の毎月の支払いも含めた合計を、売上に対する割合で比べます
  • 「ロイヤリティ0円」でも、別の名目の支払いがないかを確かめます
  • 条件は契約前に書面で受け取り、説明と同じかを確かめましょう

参考にした資料

  • 公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」(令和3年4月28日改正)
  • e-Gov法令検索「中小小売商業振興法」第4条第5項・第11条(平成27年10月1日施行版)
  • e-Gov法令検索「中小小売商業振興法施行規則」第10条・第11条(令和4年4月1日施行版)
  • 公正取引委員会「フランチャイズ・チェーン本部との取引に関する調査について」(平成23年7月7日)

(いずれも2026年10月29日に確認)

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