1. フランチャイズ加盟募集
  2. コラム
  3. フランチャイズオーナーの年収はどう決まる?利益の内訳と実例

フランチャイズオーナーの年収はどう決まる?利益の内訳と実例

フランチャイズ(FC)オーナーの年収は、会社員の給与のように決まった額が支払われるものではありません。お店の売上から、仕入れ・本部への支払い・人件費・家賃などを差し引いて残った利益が、オーナーの収入のもとになります。

そのため、同じ業種、同じ本部でも、店舗によって利益は大きく変わります。たとえば当社(買取マクサス)の出張買取FCで、本部が集計して動画で紹介した2026年8月の加盟店の営業利益(店長の人件費の扱いと集計の対象店舗数は確認できていません)は、中央値73万円、平均115万円で、営業利益が0万円の店や赤字の店もありました。ただしこれは店舗ごとの1か月の営業利益で、オーナー個人の年収ではありません。オーナー個人の年収を示す自社のデータはありません。

この記事では、オーナーの年収が何から決まるのか、ネットで見かける「平均年収」をどう読めばよいのか、自分の場合をどう試算するのかを順に説明します。

フランチャイズオーナーの「年収」とは

FCオーナーの年収は、本部から支払われる給与ではなく、自分の事業の利益から生まれます。ただし、店舗の利益と、オーナー個人の手元に残る額は同じではありません。

年収は給与ではなく、事業の利益から生まれる

個人でFCに加盟して事業を営む場合、オーナーの収入は事業の利益です。国税庁は、事業所得の金額を「総収入金額−必要経費」で計算すると説明しています。必要経費には、売上原価、給与・賃金、地代・家賃、減価償却費などが含まれます(出典:国税庁「No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)」)。

中小企業基盤整備機構のJ-Net21の業種別開業ガイド(ハウスクリーニング)も、個人事業主を想定した損益モデルについて、営業利益には個人事業主の所得が含まれると注記しています(出典:J-Net21「ハウスクリーニング」)。この損益モデルでいう営業利益は、オーナー自身の取り分を差し引く前の金額です。

売上、粗利、営業利益、手取りは、それぞれ違うものです。

  • 売上:お客様から受け取った金額の合計
  • 粗利:売上から仕入れ(原価)を引いた額
  • 営業利益:粗利から、人件費・家賃・広告費・本部への支払いなどの経費を引いた額
  • 手取り(手元に残るお金):営業利益をもとに、税金・社会保険料、借入金の返済、今後の仕入れに必要な資金なども考慮して見積もる、生活費に使えるお金

「年収◯万円」という数字を見たときは、このうちどれを指しているのかを確かめる必要があります。

店舗の利益とオーナー個人の収入は同じではない

店舗の利益が、そのままオーナー一人の収入になるとは限りません。

  • 夫婦や家族で運営している場合、店舗の利益は複数人の働きで得たものです。
  • 複数の店舗を経営している場合、オーナーの収入は店舗ごとの利益を合わせたものになり、赤字の店があれば差し引かれます。
  • 法人として経営している場合、オーナーが受け取る額は会社の利益とは別に決まります。

店舗の利益を見るときは、誰の収入として見ているのかを分けて考えましょう。

オーナーと店長の違い

FCでは「オーナー」と「店長」が別の人であることがあります。店長は雇われて給与を受け取る立場、オーナーは事業主として利益を受け取る立場です。オーナーが店長を兼ねる店もあれば、店長を雇ってオーナーは経営に専念する店もあります。店長を雇えば、その給与は経費になります。

年収の決まり方:売上から何が引かれるか

売上から仕入れや人件費、家賃、ロイヤリティなどの経費を差し引くと、店舗の営業利益を計算できます。ただし、営業利益はそのまま生活費に使えるお金ではありません。

税金や社会保険料、借入金の返済、今後の仕入れに必要な資金なども考慮して、手元に残るお金を見積もる必要があります。

計算の基本形

オーナーの手元に残るお金は、店舗の損益の計算と、手元に残るお金の見積もりの2段階で考えます。

店舗の損益の計算

  1. 売上
  2. 売上−仕入れ(原価)=粗利
  3. 粗利−本部への支払い(ロイヤリティなど)−人件費−家賃−広告費などの経費=営業利益

手元に残るお金の見積もり

  1. 営業利益をもとに、税金・社会保険料、借入金の返済、今後の仕入れに必要な資金なども考慮して、生活費に使えるお金を見積もる

借入金の元本の返済は、営業利益を計算するときの経費ではありません。手元に残るお金を見積もるときに、出ていくお金として考えます。同じ売上でも、原価率や経費が違えば、営業利益も手元に残るお金も大きく変わります。

ロイヤリティの方式で手元に残る額が変わる

本部に毎月支払うロイヤリティには、売上にかかわらず毎月同じ額を払う方式と、売上の一定割合を払う方式などがあります。定額の方式では、売上が少ない月でも同じ額がかかります。売上の割合で払う方式では、売上が伸びるほど支払いも増えます。ロイヤリティとは別に、システム利用料などの名目で毎月の支払いがある本部もあります。業態ごとの開業資金とロイヤリティの例は「リサイクルショップのフランチャイズ比較」で紹介しています。

開業直後は売上が安定するまでの期間を見込む

開業してすぐに売上が安定するとは限りません。集客が軌道に乗るまでの間も、本部への支払いや家賃などの固定費は出ていきます。年収を考えるときは、売上が少ない時期をどう乗り切るか、その間の生活費をどう確保するかもあわせて計画しておきましょう。

業種別の「平均年収」はどこまで信用できるか

出典や計算の方法が示されていない数字は、そのまま自分に当てはめられません。この記事の作成にあたって調べた範囲では、業種をまたいでFCオーナーの年収を示す公的なデータは見つかりませんでした。

業種横断の公的な平均年収は、今回の調査では見つからなかった

「フランチャイズオーナーの平均年収」を業種別に示した記事は多くあります。この記事の作成にあたり、公正取引委員会と経済産業省のコンビニエンスストアに関する調査資料を探しましたが、確認できた範囲(2026年10月時点。報告書の一部は取得できていません)では、業種をまたいでFCオーナーの年収を示す公的なデータは見つかりませんでした。

ネット上の数字を読むときの確認点

インターネットで見かける「平均年収」には、出典や計算の方法が書かれていないものもあります。数字を見たときは、次の点を確かめましょう。

  • 店舗の利益か、オーナー個人の収入か
  • 売上の何%が手元に残ると仮定した計算ではないか
  • いつ、どの店舗の数字か
  • 平均か、中央値か(一部の高い店に平均が引き上げられていないか)
  • 出典が示されているか

業種によって収益の構造が違う

業種によって、利益の出方は大きく違います。

  • 店舗や設備が必要な業種:物件や内装、設備の費用がかかり、家賃などの固定費が毎月出ていきます。
  • 人が動いてサービスを提供する業種:サービスの量は、働ける人数と時間に左右されます。
  • 仕入れの資金が先に出ていく業種(買取など):買い取った品物が売れて現金に戻るまでの間も、次の仕入れの資金が必要です。

J-Net21の業種別開業ガイドでは、業種ごとに開業資金や損益のモデルが紹介されています。たとえばハウスクリーニングのページでは、開業資金・売上計画・損益イメージの数値は出店状況などにより異なると注記されています(出典:J-Net21「ハウスクリーニング」)。モデルの数字は、自分の条件に当てはめて見直すことが大切です。

本部が示す収支モデル・予想収益の読み方

本部が示す売上や利益の見込みは、それが根拠のある予想なのか、平均値などから作ったモデルなのかを見分けたうえで、自分の年収に置き換えて確かめます。

「予想」と「モデル」は違う

公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」(最終改正:令和3年4月28日)は、本部が予想売上や予想収益を示す場合、類似した環境にある既存店舗の実績などの根拠ある事実や、合理的な算定方法に基づく必要があり、その根拠や算定方法を加盟希望者に示す必要があるとしています。既存店舗の収益の平均値などから作ったモデル収益や収益シミュレーションは、厳密な意味での予想売上や予想収益ではなく、そのことが分かるように示す必要があるとしています(出典:公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」)。

年収の視点で確かめたい項目

本部から収支の見込みを示されたら、自分の年収に置き換えるために、次の点を確認しましょう。

  • その利益は、オーナー本人の報酬を差し引く前か後か
  • 店長などの人件費は差し引いてあるか
  • 月の数字か、年の数字か
  • 平均か、中央値か。どの店舗の、いつの実績か
  • 自分が働ける時間や地域の条件と合っているか

収益予測の根拠の確かめ方や、加盟前に受け取る資料については「フランチャイズは副業で始められる?」でも説明しています。

契約前に受け取る書面

中小小売商業振興法は、同法の「特定連鎖化事業」を行う本部に対し、加盟希望者と契約を結ぶ前に、加盟金・保証金などの金銭、商品の販売条件、経営の指導、使用させる商標、契約の期間・更新・解除などを記載した書面を交付し、説明することを求めています(第11条)。特定連鎖化事業とは、主として中小小売商業者に対し、定型的な約款による契約に基づいて継続的に商品を販売(または販売をあっせん)し、かつ経営の指導を行う事業(連鎖化事業)のうち、約款に、加盟者に商標・商号などを使わせることと、加盟の際に加盟金・保証金などを徴収することの定めがあるものです(出典:e-Gov法令検索「中小小売商業振興法」 第4条第5項、第11条)。

公正取引委員会の「考え方」は、同法の対象となる本部には、立地条件が類似する店舗の直近3事業年度の収支に関する事項についても情報開示・説明の義務があると説明しています(出典:公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」)。加盟を検討している本部が同法の対象になるかどうかにかかわらず、契約条件を記載した書面を事前に受け取り、内容を理解できるまで説明を求めましょう。

自分の年収を試算する手順

本部の数字やネット上の平均を見るだけでなく、自分の条件で試算してみましょう。次の順に書き出すと、手元に残る額の見通しが立てやすくなります。

  1. 月の売上の見込みを書く(本部に、類似した店舗の実績を根拠とともに聞く)
  2. 仕入れ(原価)を引いて、粗利を出す
  3. ロイヤリティ、システム利用料、家賃、人件費、広告費、車両費など、毎月の支払いを書き出して引く
  4. 計算した営業利益をもとに、税金・社会保険料、借入金の返済、今後の仕入れに必要な資金などを見込み、手元に残るお金を見積もる
  5. 生活費と比べて、足りるかを確かめる
  6. 売上が見込みの半分だった場合など、厳しい場合も計算しておく

たとえば、次のように書き出します(数字はすべて説明のための仮の数字で、実際の店舗の実績や目安ではありません)。

  • 月の売上:200万円
  • 仕入れ:100万円 → 粗利:100万円
  • 本部への支払い・家賃・広告費・車両費など:60万円 → 営業利益:40万円
  • 営業利益40万円は、そのまま生活費に使えるお金ではありません。税金・社会保険料、借入金の返済、今後の仕入れに必要な資金などを見込んで、手元に残るお金を見積もります

数字は、自分が働ける時間と地域の条件で見積もります。本部の資料にある数字をそのまま書き写すのではなく、前提が自分と同じかを確かめてから使いましょう。

買取フランチャイズの場合:マクサス加盟店の営業利益データ

ここからは、この記事を制作している株式会社マクサスが運営する、出張買取FC「買取マクサス」の加盟店の数字を紹介します。当社の情報です。

2026年8月の加盟店の営業利益

2026年9月に公開した当社のYouTube動画では、本部が加盟店の営業利益を毎月集計して公表していると説明しています。2026年8月の結果は次のとおりです(出典:せきえもんの買取大学「【買取FC】成功する加盟店 vs 苦戦する加盟店|8月のデータで判明した「勝ち筋」とは?」2026年9月28日公開)。

  • 数値の種類:動画で営業利益として紹介された、店舗ごとの1か月の数値(店長の人件費を差し引く前の額か後の額かは確認できていません)
  • 平均値:115万円
  • 中央値:73万円
  • 下位(開業3か月以内の店を除いた中から):0万円、マイナス9万円、マイナス14万円
  • 上位には、営業利益が368万円(第2位)や208万円(第3位)の店がありました

平均ではなく中央値を見る理由

平均値は、利益が特に大きい一部の店に引き上げられます。8月は、平均値115万円に対して中央値は73万円でした。真ん中の店の水準を知りたいときは、中央値のほうが実態に近くなります。下位には営業利益が0万円の店や赤字の店もあり、同じ本部、同じ月でも、店によって結果が大きく分かれます。

動画では、8月は1件あたりの単価が下がりやすい閑散期であることや、下位の店では単価や集客が伸び悩んだことが説明されています。上位・下位の店の特徴については、「リサイクルショップのフランチャイズ比較」でも紹介しています。

この数字はオーナーの年収ではない

この数字を読むときは、次の点に注意してください。

  • 店舗単位の数字で、オーナー個人の収入ではありません。家族での運営や複数店舗の経営、法人での経営では、オーナーが受け取る額と一致しません。
  • 1か月の数字で、季節によって変わります。12倍して年収と考えることはできません。
  • 店長の人件費を差し引く前の額か後の額か、店長を雇う店で店長の給与がこの数字とどう関係するかは、確認できていません。
  • 何が経費に含まれているか、税金・社会保険料・借入の返済とどう関係するかも、動画では説明されていません。少なくとも、オーナーが個人として納める所得税などを差し引いた手取りの額ではありません。

この数字で分からないこと

次の点は、公開されている情報からは確認できていません。

  • 集計の対象になった店舗の数
  • 平均値・中央値の対象から、開業3か月以内の店が除かれているかどうか(除外は下位の店の発表について確認できたもの)
  • オーナーが店長を兼ねる店で、オーナー自身の報酬がどう扱われているか
  • 第1位の店の金額(確認中のため掲載していません)

また、これは2026年8月という特定の月の、特定の集計対象の結果です。マクサスの加盟店全体の実績や、これから加盟する店の利益を示すものではありません。

よくある質問

フランチャイズで年収1000万円は可能ですか?

可能かどうかを示す公的な統計は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。オーナーの収入は、売上の規模、経費、店舗数、運営する人数などで大きく変わります。本部に、類似した店舗の実績と根拠を確認しましょう。

オーナーと店長は、どちらが稼げますか?

立場が違うため、一概には比べられません。店長は雇われて給与を受け取り、オーナーは事業の利益を受け取ります。オーナーの収入は利益しだいで、赤字になれば収入がない月もあります。

副業でオーナーになった場合の収入は?

副業の場合も、収入は事業の利益で決まります。本業と両立できるかや、本部が副業を認めているかの確認点は「フランチャイズは副業で始められる?」をご覧ください。

まとめ

  • フランチャイズオーナーの年収は給与ではなく、売上から仕入れや経費を引いた事業の利益で決まります。
  • 業種横断の公的な平均年収は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。ネット上の平均年収は、何の数字か、誰がどう計算したかを確かめましょう。
  • 本部が示す収支の見込みは、根拠となる店舗の実績と算定方法を確認し、予想かモデルかを見分けましょう。
  • 買取マクサスの加盟店では、本部が動画で紹介した2026年8月の店舗ごとの営業利益は中央値73万円、平均115万円で、営業利益が0万円の店や赤字の店もありました。これは店舗の1か月の数字で、オーナーの年収ではありません。
  • 最後は、自分の働ける時間と地域の条件で試算することが大切です。

参考資料

  • 国税庁「No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)」(令和8年4月1日現在法令等):https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1350.htm
  • 中小企業基盤整備機構 J-Net21「業種別開業ガイド ハウスクリーニング」:https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/service/service06.html
  • 公正取引委員会「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」(最終改正:令和3年4月28日):https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/franchise.html
  • e-Gov法令検索「中小小売商業振興法」:https://laws.e-gov.go.jp/law/348AC0000000101
  • せきえもんの買取大学「【買取FC】成功する加盟店 vs 苦戦する加盟店|8月のデータで判明した「勝ち筋」とは?」(2026年9月28日公開):https://www.youtube.com/watch?v=JIaLgFvYADE

(情報の確認日:2026年10月28日)

費用・収益に関する数値は、掲載時点の加盟募集ページを根拠としています。記事内の金額は目安であり、実績や成果を保証するものではありません。

費用と収支モデルの最新情報は加盟募集ページへ

開業費用・月額費用・収支モデルの詳細は、加盟募集ページの「費用」でご案内しています。個別のご相談はLINEまたはChatworkから受け付けています。